micro:bitでオリジナルゲームを制作した小2・ケンケンに、ものづくりについて聞きました

小学2年生のケンケンは、最近micro:bitを使ってテトリスのようなゲームを制作しました。LEDの5×5マトリクスの中に、上からドットが落ちてきて(順番に光りながら)一番下の段にとどまります。A/Bボタンで左右の位置を調整することもできます。一番下の段が横一列に揃うと消えます。縦に一列でも上まで積み上がってしまうとゲームオーバーです。かなり複雑な処理を伴うゲームですが、どうやってつくったのでしょうか。ケンケンにお話をうかがいました。

生成AIとのやり取りでゲーム開発

― micro:bitでゲームをつくるのは初めてですか? 作ろうと思ったきっかけは?

ケンケン
micro:bitでゲームをつくるのは初めてです。Maker Faire Tokyoで、micro:bitにつなげられるモジュール(ドットマトリクスモジュール)を使って、ボタンを押すと1つずつ積み上がるようにつくられたゲームを見ました。それをきっかけに、「もしかしてテトリスもできるんじゃないか」と思い、やってみたいと思いました。

ゲーム制作のヒントになったドットマトリクスモジュール

ケンケン
Google Gemini(グーグル・ジェミニ)に「micro:bitでできるテトリスみたいなゲームをつくって」とお願いしました。コード(JavaScript)を書いてくれたので、それをコピーしてMakeCodeに貼り付けました(※注1:MakeCodeはJavaScriptとPythonに対応しています)。まずはそのままmicro:bitにダウンロードしてみたんだけど、最初はドットが下についた瞬間に消えてしまって、うまくいきませんでした。なので、言い方を変えてお願いしたり、追加の機能をつけてもらったりして、完成させました。Google Geminiとは20回くらいやり取りしました。

― 20回とはすごいですね! 途中、どんなやり取りをしたんですか?

ケンケン
最初は「下についても消えないようにして」とか「下の段が全部そろったら消えるようにして」など、やってほしいことが伝わるまで、言い方を変えてお願いしました。次に、左右に動かせるようにしたり、他の機能を足していきました。Google Geminiがつくったコードはブロックで確認できるので(※注2:MakeCodeはJavaScriptやPythonで入力したコードをブロック表示できます)、だいたいの内容が分かりました。それを見ながら、変えてほしい部分をお願いしていきました。

ゲームのために描かれたコード(ブロックで表示)

― micro:bitを初めて学んだのはいつですか?

ケンケン
昨年の夏、ジャパン・エデュメイカーズ・ラボ(JEML)の講座で初めて学びました。センサーと組み合わせていろいろできるのが楽しかったです。

次に挑戦したいのはSnakeゲームとスマートハウス

― 次につくってみたいゲームはありますか?

ケンケン
ぶつかるとつながってどんどん伸びていく「Snake」というゲームがあるんですけど、それをmicro:bitでつくってみたいです。それから、micro:bitとセンサーを組み合わせてミニチュアハウスをつくりたいです。家の壁や屋根はレーザーカッターでパーツを切り出して組み立てます。例えば、ドンドンってドアをたたくと振動センサーが反応して「はーい」という音声が流れて自動でドアがあくとか、それ以外にもたくさん機能をつけた家をつくってみたいです。

お話をうかがっていて、ケンケンは新しく出会ったもの(micro:bitやセンサー、デジタルファブリケーション機器など)を使って「これができるかもしれない」と発想する力が強い人だと感じました。また、生成AIも含め、いくつかの機能を組み合わせて実際に形にしていく力と、うまくいかなくても粘り強く取り組める力を感じました。 ケンケンのものづくりのスタートは3~4歳頃、レゴから始まったそうです。その後、市販の工作やロボットキットなどを自分でつくるようになりました。説明書が読めなくても、解説図やパーツの印を手がかりに組み立ててきたそうです。最近は自作したり、市販のものに機能を追加することが増えてきたとのこと。最近つくったものについて、うかがいました。

ケンケンがつくったエスカレーターとエレベータキット

ものづくりの楽しさは“どんなふうにやればいいのか考える”こと

― 最近つくったものを見せてもらえますか?

ケンケン
これは今つくっているロボットです。真ん中にスイッチがあって、これを押すと手が動く仕組みです。ボディの中にモーターがあって、これに3Dプリンタでつくったパーツを組み合わせて、回転すると手につなげた糸を巻き取って手が動く仕組みです。このパーツは新幹線のタイヤの試作品なんですが、巻き取るのにちょうどいいかなと思って使っています。それから、サンタさんにもらったレゴの新幹線に段ボールでつくった貨車をつなげて荷物が運べるようにしたり、もともとついていたライトにパーツを組み合わせて色を変えています。そこにさっきお見せしたロボットを乗せて運べるようにしようと思っています(お父様によると、家の中にはケンケンがつくったものがたくさんあるそうです)。

ケンケンが製作中のロボット
ロボットの中のしくみ

― ものづくりのどんなところが楽しいと感じますか?

ケンケン
説明が中国語だけで読めなかったり、完成形が見えないようなものをつくってみるときに、どんな風にやればいいのか考えるのが楽しいです。パーツにヒントが隠されていたり、解説図を読み解いてやってみるのが楽しいです。

これからますます広がるケンケンの世界

― 先ほど、Snakeみたいなゲームとミニチュアハウスについて伺いましたが、そのほかにつくってみたいものはありますか?

ケンケン
最近、お父さんに教えてもらったNIMS(物質・材料研究機構)の動画をよく見ていて、その中でハルバッハ配列という、磁石を特殊な向きで並べることで一方向にだけ強い磁場を作る配置方法を知り、磁石を買ってやってみています。磁石が反発する方向に組み合わせるので手で押さえなくてはいけなくて、手で押さえる代わりに3Dプリンタで枠をつくって固定できないかと思って、やってみようと思います。それがうまくいったら、それを3つつくって、組み合わせたらもっと磁力が強くなるのか実験したいです。

ケンケンの興味は今もどんどん拡がっています。これまでの工作やデジタルファブリケーション機器、モーターに加え、micro:bit、そしてGeminiを使えるようになったケンケン。これからどんなものをつくってくれるのか、本当に楽しみです。

みらいメイカーズラボでは、これからもモノづくりを楽しんでいるメイカーズにインタビューをしていきます。お話を聞かせてくれる方はぜひ事務局にお声がけください!